ロマンはどこだ?

そのとき思ったことをなかったことにしないために

『あるキング』

あるキング (徳間文庫)

あるキング (徳間文庫)

伊坂幸太郎らしいといえばらしいし、らしくないといえばらしくない。つまり、新境地、ということになるのだろうか。
伊坂幸太郎といえば、100%現実、というわけではないけど(超能力とか嘘を見破る達人とかね)、でもやっぱりリアリティーがあるというイメージでしたが、これは、かるーくというかばりばりファンタジー要素があるなぁ、と。現実に絶対こんなことない!!と思う設定。
伊坂幸太郎、と思って読むとやっぱりちょっと違和感あるんだけど、そういうフィルターを抜きにしてみれば「いつも出てくる3人の魔女」とかも小説としては不思議ではない設定なんですよね。
私が「伊坂幸太郎」に求めるお話ではなかったかなぁ。面白かったけど。
でも途中途中に挟まれる、ちょっとした知識をもとにした言い回しとかはやっぱり筆者特有のセンスから生まれたもので、そういうところはやっぱり好きでした。