ロマンはどこだ?

そのとき思ったことをなかったことにしないために

『中の人』@グローブ座 4/25

シゲちゃんの久しぶりの舞台。初日に行ってきました。
もうほんとに最初から最後までシゲがかわいくて、かっこよくて、シゲの魅力がいっぱいでした。
ああいう役がとても似合うな、と。
あんなにイケメンなのに、どうしてか、そこらへんにいそうな等身大の青年役がとても似合うんですよね。どういうことなんだろうか。坂崎くん(シゲ)がどったんばったん、笑ったり苦しんだりしているところ、本当のシゲとちょっと重ねてしまうなあ。シゲはいつも、まあ現在進行形での悩みはそれほど吐露しないけれど、ほんとうにあのとき苦しかったとか生死彷徨ったとか話してくれるから、こういうことなのかなって重ねてしまうね。それは本来の舞台の見方ではないかも知れないけれど、まあ、シゲ担としては仕方のないところだとも思ってます。

シリアスなところもあるけれど基本的にはコメディタッチで、小難しいこと考えずに楽しめます。とても長くて質のいいコントを見ているよう。

観終わった後に雑誌の対談を読んで、それを踏まえてもう1回観たらまた違った見え方が出来て面白かった。
たとえば、ほかの人がセリフを言っているときもその役を生きて、「受け」の演技が必要、と言っていて。それを頭に置いてみるとたしかにリアクション取ってるな、と分かった。

あとね、このお話って、リアリティはすごく絶妙なラインだと思うんですよ。ありそうで、なさそう、でもありそう。ありそう、なんですよ。だから筋書だけを見たときに、不可解とか矛盾とか理解できないことがあると、「なんで?」って思っちゃうんですよ。リアリティがある世界だと思って見てるから。
たとえば「なんであの人が坂崎くんに対してこんなに働きかけてるのか?」って不思議なんですけど、それに関してはとくに説明はない、って対談で言っててああ、そうか、全部が全部説明されているわけではないんだな、と気付きました。でもそういうのもひっくるめて、この舞台はそういう作品で、こういうものなんだ、と。
そういう「演劇」についても考えさせられる。シゲが出てなかったら知らなかった演劇の世界。

わけわかんないし、結局明確なテーマは「中の人」ってぐらいでメッセージ性もよくわかんないんだけど、いっぱい笑えてなんかパワフルでなんか惹きつけられる作品。