ロマンはどこだ?

そのとき思ったことをなかったことにしないために

『株式会社ネバーラ北関東支社』

 

株式会社ネバーラ北関東支社 (幻冬舎文庫)

株式会社ネバーラ北関東支社 (幻冬舎文庫)

 

書評にもありましたけど、「北関東支社」という絶妙なネーミング。本社を東京に持つ納豆の株式会社ネバーラ、その北関東支社での物語。

あと、ネバーラっていうのがいいですよね。明らかに納豆意識じゃないですか。納豆じゃないんですけど、ほんとは。

同じ著者の「うさぎパン」とか「白雪堂化粧品マーケティング部峰村幸子の仕事と恋 」もそうなんだけど、基本的にメインの登場人物が性格がいい人たちばかりなので、気負うことなく安心して読めます。そういうところが好き。

主人公は東京でバリバリ働いていて、いろいろあって「人生1回休み」という気持ちで田舎の納豆メーカーに転職。だからといって卑屈すぎることも田舎を馬鹿にすることもなく、淡々と自分の業務をこなしていく。主人公がきちんと地に足付けて生きているところに好感が持てる。

本編に出てくる東京に憧れる若い女の子の過去編も良かったなあ。

人生は選択の積み重ねで、いまの自分は過去の自分が選択した結果。そのことを改めて感じた。