ロマンはどこだ?

そのとき思ったことをなかったことにしないために

いのちのうた 2017 日記と感想

ここ数日の寒さと雨が嘘のように、収録日の7月20日は晴天だった。

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わたしは30歳のシゲを観に日帰りで広島に向かった。シゲ担の友達とお好み焼きを食べ、お店の壁に亮が描いた謎の木のイラストと、中居くんと慎吾が座ったと思われる席を眺めながら「ネバーランドの打ち上げは4人かと思っていたらスタッフさんの家族宅という事実が判明して、いいんだけど、嘘じゃないんだけど、結構詐欺」みたいな話をした。

そのあと、観覧行きませんか?と声をかけてくれた広島の友達と合流し、平和記念公園を案内してもらった。十年ほど前に一度、数年前に社員旅行で一度来ていたので3回目だった。記念公園はとても綺麗で、広島のひとたちがこの場所に重ねる思いの強さを感じた。工事をすると土の中から人骨が出てくる話を聞いて驚いた。原爆ドームも観た。青空の下の原爆ドームは、私のなかで「夏の広島」のイメージそのものだった。あまりの暑さにわりと早々にカフェに逃げ込み、しこたまお土産を買い込んだ。レモン味のものが好きなんですよね……
いざ観覧。収録が終わったあと特別ライブがありますって言われてマジで帰れないかと思ったけど結果的には大丈夫だった。無事新幹線で帰りました。東京最終の新幹線なので、いまとなればよく考えればまあ当然、シゲも同じ時間だったんだけど車両も全然違ったし見てはないです。

収録は、色々いわれてたうちわより、個人的にはみんながいっせいに双眼鏡持ってる姿が後ろから見てると、面白い光景だった。うちわについては、ツイッターの呼びかけでうちわを持ってくるのをやめるような子は最初からうちわを持ってこないのでは、と思っていた(わりとどうでもよかった)。

数列前の女の子がシゲが出て来る前から「もう泣きそう;;」って騒いでて実際に出て来たらほんとに泣き始めて、なんかそういう気持ち忘れてたな……と収録序盤ですでに反省した。

30歳のシゲは少し緊張した面持ちで、だけど堂々とMCの役割を全うしていた。石川さゆりさんや南こうせつさんとシゲが話している光景は、不思議だった。

収録後に「別撮りでニウスとシゲの歌も収録していて、当日流れます」というようなことをいったときの歓声がすごくて、「今日一番の歓声」って言われた。ただ、個人的には、収録後の特別ライブで「石川さゆりさんが津軽海峡・冬景色を歌います」って言ったときの歓声もそれに匹敵するものがあった。

収録後は大慌てでバス停まで走ったらまあまあ余裕を持って広島駅まで戻ってこられた。広島の友達とちょっと会う約束をしていて、駅前の噴水って言われて「噴水あるんだ」って驚いた。名古屋か浜松かどっかにもあった気がするな……。そこで観覧に誘ってもらった友達と別れ、広島の友達に新幹線口まで送ってもらいつつ、いのちのうたのダビングをお願いした。その友達と8月はすでに2回会ってて、ディスクも受け取った。だけどほかにも渡さなきゃいけないものを渡すの忘れて、オタクってやりとりするものが多いな……としみじみ思った。

そのディスクを見た感想を書こうと思って記事書き始めたのに日記が長くなってしまった。

 出だしのシゲがすでにかわいくてびっっくりした。ひっかわいい!ってなった。あの映像を見て、そういえば20日は晴天だったなぁと思い出したのだった。
収録のときはまず最初にカープのうただったからそれはカットするのかなと思ったら
あんな巧妙に組み込まれてて驚いた。違和感が全然なかった。カープのうた歌ってるシゲの顔緊張してます!!って書いてあってめちゃめちゃかわいいよな……

南こうせつさんは、平和を祈るコンサートをずっと開催しているとのことだった。ずっと歌で勝負しているひとはかっこいいね。シゲに絡んでくれて、とてもいいひとだな……と思った。

新妻聖子さんは声量がすごかった。収録後の特別ライブでで披露した新曲も、マイクいらないんじゃないか?って思うほどだった。長崎の鐘、曲は知っていたけど背景までは存じてなかったのでとても興味深かった。短調から長調に変わる、とかも。

コトリンゴさんは能年ちゃんみたいだなと思った。声の感じが。この世界の片隅に、映画観たし原作も読んでるので、そのテーマソングが聞けたのは嬉しかった。

STU48は、可愛かったね!郷土愛に溢れてた。シゲがしゃべり遮ってごめんよ……と思った記憶あるんだけどカットされてたよね。たぶん。

石川さゆりさんの「ほんとうのこと」という曲に入るくだり、曲の説明のときに石川さんが「サン・テグジュペリも言っていたけれど、本当に大切なものは目に見えない」って言ってたくだりカットされてた!!残念><シゲソロじゃんーーーって思った。観覧のニウス担、だいたいのひと思ったと思う。

4人で歌ったさだまさしさんの「いのちの理由」、気に入ってituneで購入した。自担に「私が産まれて来たわけは愛しいあなたに出会うため」って歌われたらたまんないよ……。そしてこれだけのメンツに囲まれ、緊張はしていたけれど、堂々と歌い上げた姿、とてもかっこよかった。もちろんシゲに「歌」だけで仕事が来ることはそうないと思うけど、小説家として言葉で思いを表現できること、MC、そして歌うこともできるというのはすごい強みだよなぁ。ボイトレの成果、今年歌がんばってたことが意外なところで結びついている。

取材もとてもよかったなー。シゲが瞬きもせずに話を聞いている姿、凛々しくてとても素敵だった。
祖父母と孫の写真を撮っている写真家さんを取材したとき、「点を作ってる」といういいかたをしていたのが、いいなーと思った。最近、いやずっと前からそうかもだけど、シゲの仕事には点と点が繋がっていく様を感じていて、だから意味合いは少し違うけれど「点が繋がっていく・広がっていく」という認識をシゲがしていたのがちょっと嬉しかった。
戦争の体験をだれかに語り継いでいくことって大事だ。私は祖父母がもうみんな亡くなってしまったけれど、近所に住んでいたときはいろいろ話は聞いたなぁ。聞いた話を私がだれかに語れる機会があるのかはわからないけれど、忘れないでいようとは思う。

(例年のこの番組がどんなテーマか存じないからもしかしたら毎年そうなのかも知れないけれど)原爆のことを「伝えること」ということをテーマにした取材2本、小説家として言葉で伝えることをしているシゲにぴったりなテーマだなあ。

UR not aloneは、もうこの曲はニウス担や私のところから飛び立っていったんだなぁと思った。会場にいるファンじゃなくて、テレビの向こうの誰かに伝えるために歌っている。その「誰か」にはもちろん私も入ってるけど、私のUR not aloneはやっぱりあのネバランで聴いたあの瞬間あの時間でしかないことを改めて思い知ったから、「好きだなぁ」という感情以上のことは、出てこなかった。グッとは来たけれど、シゲの通ってきた道を思って泣いたり、救われた気持ちになったりすることはなかった。「私の曲」から「みんなの曲」になっていっている。

でも、こうやって世界に広がっていくにふさわしい曲だと私は思っているから、歌ってくれて、歌わせてもらえて、よかったよ。

収録とはいえメンバーの魂の入れようはコンサートに負けず劣らず、すごい気迫だった。ので、映像を見た、まだこの曲を知らないだれかに届いたらいいなと思う。きっとそう願って歌っているから。

私はあと白いハイウェストのぴったりしたズボン履いてる女の子が気になってしまった。あんなウエスト締め付けて歌いにくくないのかなって。知らんけど。

この時点で番組の残り時間が少なくて、あれ、あやめ大丈夫か?!と心配になる。大丈夫に決まっている。

そんなわけで、エンディング。ほっとしたのかすごい楽しそうなシゲ。笑

南こうせつさんはじめそうそうたるメンバーと顔を見合わせながら歌ってるの、「ありがとうございます…!」という気持ちになる。

そしてあやめ。

テレビならではの演出も、と言っていたけれど、全体的にはほぼほぼシゲがコンサートで披露したそのままの形だった。それってすごいよね、シゲの演出が認められて、この曲にはこの演出がベストだって番組制作側にも思われてるってことだもんなあ。まあ誰よりもこの曲に思い入れがあるシゲの演出だからそれがベストなのは自明の理かもだけど。

白い円の中で寝ているところから始まる姿、懐かしかった。これだ、私が2ヶ月弱心奪われ続けていたあやめ、ここから始まったんだった。

途中でシゲの指先がドアップになるところ、ほんとに丸くて柔らかそうな指先で
「これがまっすーが好きな指先か……」と思ってしまったんだけど、こういう男らしくも女らしくもない指先だからこそ伝わる世界かもしれない。

コンサートで見てるときは席から見てるから視点が固定されてるけれど、テレビになったらダイナミックな動きでシゲを追う視点になって、ぞくぞくした。動と静が浮き彫りになっていた。階段に向かって歩いていくシゲがカメラに向かって歌ってるのすごいたまんない。想いが伝わって来る。すごいくだらないんだけど「右あやめ映った……」と思いました。

階段の一番上で歌うところ、神様のようだった。人間味があって感情的で乱れていて
そしてその熱量で民衆を先導する勇気をもった、神様。

そして階段を降りて、民衆の真ん中にたってまあるく旗を振る神様。暗転したのち「いのちのうた」のロゴが出て来るんだけど、そういえばロゴ丸いし、最後のロゴは線が虹色で、シゲのソロに寄せて色変えてる!!!!

もーーーなんかすごいグッと来た。あやめに関する説明なんもないところも、あやめからロゴに繋がっていくところも、とにかくこれ以上ない締めだった。こんな贅沢な映像がNHKのゴールデンで流れるのすごい……どれだけ才能認められたんだ……。

言ってみればあやめも、こうやって世界にばれてしまったわけだけど、どうしてかこの曲は「私個人のもの」というイメージのままだなぁ。

 

シゲがオファーされた仕事に対して、誠実に取り組んでいること、垣間見えて、とても素敵な番組でした。

30歳最初のシゲの大仕事がこんな素晴らしい仕事でほんとにほんとによかった。幸先良いね!