ロマンはどこだ?

そのとき思ったことをなかったことにしないために

一滴のような/ポルノグラフィティ15th live サーキット BUTTERFLY EFFECT

去年の11月に埼玉から始まり、昨日神戸で終わるはずだったポルノグラフィティの15thライブツアーは彼らの旅は期せずして延び、のこりは郡山、八王子、そして横浜へと続いていく。

私は来週郡山公演でファイナルなんだけども、その週末にはニウスツアーが始まってしまうので早いけれど感想をまとめておく。

※普通にセトリネタバレします※

 

「BUTTERFLY EFFECT」というアルバムをひっさげた「BUFFERFLY EFFECT」というツアー。その由来を晴一が公演中毎回必ず言ってくれるのが好きなので書いておきます。何度も何度も丁寧に説明してくれる。

「大抵曲作りの締切に追われているときに、いまやグーグルプレイだのアップルミュージックだのにたくさんの曲があり、そのなかには人類の宝ともいえるような曲もあるなかで、俺たちがそこに一つ曲を増やすことになんの意味があるのだろう?と考えたりすることもある。それでも、一つの雨を降らすことでそれが川に流れ大きな海に繋がっていく、そんな一つの曲を作るが次の時代の音楽の海を作ることになる。そういう流れから『一滴』『ドロップス』のようなタイトルを考えていたんだけども。

 バタフライ効果、という、言葉がある。地球の裏側でちょうちょがはばたくと地球のこっちがわで台風が起きるというような現象のことで、そこから、転じて、バタフライエフェクトというタイトルをつけた。」

 

で、初日に晴一は最後でこうあいさつしていた。

「アルバムはそれこそ一年前とか半年前からずっと作ってきて、それをライブでやったらどうなるのかなと想像しています。その想像とあっていたかどうか。初日の今日は正直百点満点でいったら70点ぐらいだと思います。そりゃ人間だから、100パーセント正解なんて出来んよ。

 でも、このツアーをとおして、どんどん100点に近づけるぐらい変化していけたら、バタフライエフェクトしていけたらいいなと思っております。」

 

その初日に参戦したときは「なんかセトリしっくりこないなぁ」と思っていたんだけど、次の仙台ぐらいで、初日からの変化を感じたんですね。曲の移動とかは分かりやすい変化だけど、そのほかにも歌が上手くなってるなとか、演出変わってるな(そしていい方向になってる)と思うことが多々あり。

行ったのは初日⇒仙台⇒えねちけ2日目⇒市川 だけど、ゆるやかに変わっていっているのを肌で感じた。彼らはツアータイトルをまさに身を持って体現していた。

長い長いツアーのひとつひとつの小さな公演をひとつひとつとても丁寧に取り組んでいることが伝わってきた。そりゃあ、適当にやってるなんて思ってはいなかったけれどさ。

私はどっちかというとロマポルとかアリーナツアーとか、もうどっかんどっかんお祭り騒ぎみたいな特別な1日(The DAY)というライブが好き。それは私にとってライブが非日常で、その日のために仕事調整したりお金ためたり体調整えたりするものだから。その特別な1日のために毎日を頑張れる。コンサート、舞台、ライブ、そういうものすべては私にとっては日常を頑張るためのものだからある1日がとんでもなく比重が重くなる。

だから、初日に行ったときにあまりにさらっとしてるものだから、拍子抜けしてしまった。あれ、って。そりゃあホールツアーだから花火はあがらないしでっかいモニターもない、後ろの席にいったら彼らの顔だって見えない。分かっていたけれど、やっぱり「あれ(´・ω・`)」ってなっちゃうんだよ。浮かれ気分でロックンロールする気持ちで臨んでるから。

でもありがたいことに何度か行かせてもらううちに、このライブは長いツアーの1つなんだなぁと考えるようになった。私の生きている毎日とポルノの2人の毎日がある一点重なって、また離れてそれぞれの毎日に繋がっていく。

だからこのツアーはゆるやかに変化していくし、私の毎日もまあ少しだけどいろいろ変わったりして、なんか、そういうものでいいんだと思った。

私の毎日のなかのたった一滴、彼らのライブがあって、また日常にすぐ戻ってしまうけれどそれでも意味がないことなんかなくて、「明日また頑張ろう」「働こう」「ちゃんと生きよう」って少しだけど前向きに思える変化をくれる、日常と地続きみたいなライブ。

 

あとは彼らもライブの最後にいっている、「20周年を全力疾走しながら迎えるためにポルノグラフィティのいろいろな可能性をいまも探し続けながら走っている」という、発展途上感がライブのいろいろなところににじみ出ていた。

からしっくりこなくて、なんか「う~~~~~~ん??」って思っても、いまもまだ変わっていく途中なんだなぁと思うと納得するところもあって。仕方ないのかなって上から目線になってしまったりする。

いつまでも飽きないバンドだ。

本日発売の「カメレオン・レンズ」もなんというかすごいポルノっぽいのに今までとはちがう変化球ですごくいいのでぜひ聴いてください!

 

 

特別なようで特別じゃない、でもやっぱり特別なライブの日に歌われる「the Day」はすごく身に染みるものがある。

とにかくめちゃくちゃかっこいいんですよ。あと途中でボーカルとギターが向かい合って掛け合うのがいい。めっちゃいい。これほんと珍しいから!珍しいんですよ!!ボーカルがギターもってギターとギターでっていうのはあったけど、ボーカルとギターでやりあうのはめったになくてそしてとんでもなく興奮の渦を巻き起こしてそこにまんまと引き込まれた。

どちらかというと共同制作者の印象が強くて、舞台のうえではやっぱりボーカルのひとのほうがあたりまえだけどメインで、でもステージ上でもともに引っ張り合える関係なんだなと……いやほんと……感動……「大人になったなぁ」って思いませんか?わたしは思いました。

 

あと今回「しっくりこない」ってずっと言ってるのは

・アルバムひっさげたツアーなのにアルバム曲で入ってないのがちょいちょいあることと

・ツアー前半で「Liar」を歌わなくて、後半で「Montage」を外して「Liar」いれたこと

・セトリど真ん中のヘソ曲がメリッサのカップリング(月飼い)

あたりですかね。

Liarって結局いままでライブでそんなに歌ってきてないから、後半から歌い始めてもLiarの次にうたう「真っ白な灰になるまで、燃やし尽くせ」の歌いこまれ方とくらべたらもう雲泥の差で真っ白~が全部もってっちゃう。と個人的には思ってます。もったいないんだよ~~~~ぜったいもっとかっこよくなる><

 ヘソ曲は、月飼いが嫌いなわけじゃない、というかむしろ好きなんだけど、月飼いの前のポエトリーリーディングもめちゃくちゃ晴一節満載で良いんだけど、なんでアルバムひっさげたツアーでその選択したのかな~?というのが気になってる。FadeAwayでもよかったんじゃ?みたいな。

 

「ポルノの歴史振り返ろうコーナー」で歌われる『ワールド☆サタデーグラフティ』の出だし、「土曜日なのに雨だね ここは東京なのに一人だね」を場所場所によって変えてるの楽しくて好きだな。

私はこの曲を聞くたび、去年の誕生日が土曜日で朝起きたら雨が降っていたことを思い出す。その日は好きなアイドルの舞台を観に行っていたから一人でもなんでもなかったけど、「土曜日なのに雨だな」と思ったことを、ライブでこの曲を聞くたびに思い出している。

歌い込みってやっぱりあるんだなぁと今回はとくに思う。アルバム曲で1番好きなの(悔しいことに)「FadeAway」なんだけど、サビの岡野さんの歌声がすごい迫力で。泣いてるみたいに聞こえる鬼気迫ったような歌い上げ方、鳥肌たつ。これも公演公演によって「もっといける!」「今日よかった!」みたいな日があるんだけど、確実に迫力増してきてるし、これ1番変化を感じている曲だなぁ。

 

いろいろ思うことがちょいちょいあるので自分にとって100点満点のライブではないんだけど、ある意味とても彼ららしい、彼らの変わっていく過程が観られたライブだなぁと思った次第です。