今年の24時間テレビの原作を読みました。
光を失って心が見えた 全盲先生のメッセージ (ノンフィクション知られざる世界)
- 作者: 新井淑則
- 出版社/メーカー: 金の星社
- 発売日: 2015/11/30
- メディア: 単行本
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ノンフィクションというとやはり当事者の感情、努力の大きさが語られることが多く、そういう内容を予想して読み始めたところすぐに裏切られた(※そういう内容の本も好きです、あしからず)
ところどころクスリとさせられるユーモアの詰まった文章で自分の今置かれている環境を説明し、どうしてここまで来れたのかを病院や学校、教育委員会の仕組みを交えて分かりやすく解説、そして最終的には憲法、ノーマライゼーションという枠組みまで話が広がっていく。さすが国語の先生、と思った。
深刻なことを、あまり深刻に書きすぎていない。
「本当に深刻なことは陽気に伝えるべきなんだよ」(伊坂幸太郎/重力ピエロ)
陽気というほど陽気ではないけれど、感情的になりすぎないことで見えてくる世界もある。
「個人的なことは政治的なこと」というのは、フェミニズムとかジェンダー論を語る際に出てくるキーワードなんだけど、読み終わったあとこのフレーズを思い出した。本当のちゃんとした意味とはすこしずれてしまうが、一人の経験談から社会に目を向けられるように話が繋がっていくのはすごいな、と。中学校の先生が中学生向けに書いた(たしか)というと納得がいく。
それとは別に、
24時間ドラマの原作本読んだ。国語教師所以なのか、ユーモアたっぷりでとても面白かった。シゲにつながることが出てきて驚いた〜見えないところでつながったりするものだなぁ。
— で∵に∵う (@deniu_fabc) 2016年6月26日
という話は、ネタバレなのでこれから読む人は知らないで読んだほうが楽しいと思うよ!
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新井先生は自分の担当クラスの演劇用に「裸の王様」の脚本を書くんだけど、その脚本の最後は「星の王子さま」のあの有名なフレーズで締めくくったんだそう。
「星の王子さまはいいました。心で見なくちゃ、物事はよく見えないってことさ。肝心なことは目には見えないんだ。」
もうこんなん言われたら「し、しげ~~~~~~~?!?!?!」ってなるじゃん……?シゲのソロ曲だしシゲのソロの演出のセリフ……。
すごい偶然で奇跡でミラクルおこっせ~~♪というか起きたというか。
そしてマノさんのツイートに深くうなずく。
しげあきさんが今まで必死にもがいて頑張って打ってきたさまざまな「点」が、いま一斉に「線」になってつながって、過剰に装飾じみた言い方になってはしまうのだけど、なんか星空を見ているみたいだ、なんて思う
— マノ (@manowaku) 2016年6月26日
このツイートを観た後、私は「プラネタリウムのふたご」を思い出した。最後のほうで、「ひとはみな、うしろにまわした六本目の指を、ひそやかにつなぎあっているのです」というフレーズが出てくるんだけど、知らず知らずのうちに繋がっていたんだな~~~
もう波線をつなげることしか出来ない。
原作本と同じ雰囲気でやるなら今まであまりなかった24時間テレビのドラマになりそうだし、楽しみです。